読書・勉強会

machine learning buisiness pitchに行って知ったAIビジネスの難しさ

Machine Learning Production Pitch

machine learning buisiness pitchとは

本日はこの勉強会に参加させていただきました。

https://machine-learning-pitch.connpass.com/event/141255/

機械学習を実用化することの苦労や経験を共有する勉強会です。

AIビジネスにおける要件定義・運用・保守・契約・費用・サポート、このあたりがキーワードでした。

各社の取り組みについて、記事にまとめていきたいと思います。

各社のプレゼンの要約ではなく、私の主観による感想です。

AI iniside

DX Suite

AI insideとはDX Suiteという製品を取り扱っている会社です。AI-OCR(AI Optical Character Recognition/Reader、AIを用いた文字認識技術)をSaaSで提供しているサービスです。

梅田さん(@ShotaroUmeda)さんがご登壇し、発表してくださいました。

立ち上げ期のお話

適切な価格設定とは?

AI-OCRというもの自体がまだそこまで流行っていない時期だったようです。OCR自体は存在していたのですが、AI-OCRとなると他社の比較製品がないためベンチマークも難しかったそうです。そのため価格設定に難しさがあり、最終的に「売り上げと社数のバランス」から決定したそうです。

ここはかなり難しいポイントですが、正解はない中でまずはじめてみるという大切さを感じました。

展示会にて地道な販促活動

お客さんが製品の導入を本気で考えているのか、話を聞いてみたいだけなのかを見極める重要性を知りました。

それを見極めるために、テレアポやwebの販促はやめて展示会で地道な活動を続けて、顧客を獲得し続けたそうです。

AI技術は興味はあるけど導入は想像していない人が多くいると思います。それに気がつくことは社員のリソースを貴重に使うために大事なことですね。

急成長期のお話

カスタマーサポート(CS)を徹底する

たくさんの顧客と契約を結ぶほどデータも多くなり精度が上がっていくため、顧客満足度もどんどん高まっていったそうです。その中でもCSに注力したというお話が印象的でした。

AI分野はお客様にわかっていただけない内容が多く、エンジニア側が嫌になってしまう領域だと思います。その中で手厚いサポートをすることで差別化を計れたのだと思います。技術的な進化にも大きく影響していると思いました。

受注プロセスの改善

AIソフトを導入する上で難しいのは「本当に使えるの??」という疑問を払拭することだと思います。

DX Suiteでは2週間のトライアル期間を設けていたそうですが、実際にトライアルしきれない悩みや、トライ自体してもらえなかった悩み、買い方がわからずに受注に結びつかないという悩みを抱えていました。

そこでそれぞれに対して打ち手として、トライアル期間に徹底して利用してもらう仕組み作りや、買い方をよりわかりやすくするための工夫をしていました。

ここはこれ以上書こうとすると長くなりすぎるのでこのくらいにしておきますが、怒涛の受注プロセス改善の話は激アツでした。

興味あるだけの人をどう避けるか

梅田さんの話は特にこれが印象的でした。

AI技術は

  • 新しい技術
  • ブーム
  • 数学を知らないとよくわからない

という理由から、興味だけある人がとても多くいます。実際に導入する方法もわからないので、深く考えておらず、実際に契約に至る人はわずかです。

会社の貴重な人的リソースを無駄使いしないため、本気で導入を考えている人にコミットする姿勢が、AIビジネスの重要なポイントだと感じました。

LeepMind

LeepMind社はいくつか事業をされていますが、顧客に合わせてモデルと実行環境を提供しているようです。

三室さん(@yuki_mimu)がご登壇されました。

実用化の壁

AIを仕事に導入するときの難しさは多くありました。

  • 無料AI講座をやる羽目になる
  • データがそもそもない、エクセルちょこっと
  • 精度目標を決めづらい
  • リッチなGUIがないと導入が難しい
  • 現場の人の理解が得られない

その中でも実用的な性能を出すまでの期間がわからないことがひとつ印象に残りました。またモデルの知的財産権をどうするかというお話もビジネスモデルの根幹に関わるため、難しいポイントです。

まずは目的設計、5D

https://leapmind.io/blog/2018/09/10/deeplearning5d/

そのためLeepMindでは5Dというビジネスフレームワークを用意していました。詳しい内容は上記のリンクからご確認ください。

顧客は実現したいことも、どのように現場にそれを導入していくかも、そもそもの課題はなんだったのかも曖昧であることが多いです。(金槌を持つと全てが釘に見えてしまうように、AIのできることにはそれほどの魔力があるのかもしれまん。)そんな状態ではモデルを納める企業にも、エンドユーザにも本当の価値提供ができません。

顧客の要望を形にする

そのため、顧客自身に課題を整理してもらい、本当に必要なものを見つけていただきます。

そして提供する側はプロダクトが本当に実現できるか、本当に価値を提供できるか、運用が続いていくのかを見定めることが大切です。

5Dの内容はLeepMind社のブログ(こちら)にまとまっておりますので、ぜひご覧ください。とても勉強になります。

Wantedly

みなさんご存知のWantedlyです。

久保長さん(@kubonagarei)がご登壇されました。

業務プロセスを図解することでAI導入箇所を特定する

LeepMindさんのお話でも出ていたのですが、そもそもAIを導入するべきなのか?ということを考える必要があります。三室さんはローテクでできることをハイテクで解くのは罪だと仰っているくらいでした。

その流れでどうやって正しくAIを導入するかの話が出てきて、とてもいいなと思ったので紹介したいです。

例えばブログの記事それを書くアクティブユーザがいるアクティブユーザが口コミを書く口コミを見て新規ユーザが増えるブログを読んだユーザが企業と繋がる企業がブログを掲載広告も掲載、と会社の持っているビジネスの構成をまず全て図解します。

そしてそこにAIで解決できる課題は何か?という情報を載せていきます。会社全体の業務を見渡しているので、導入ポイントを俯瞰で見て優先順位もつけやすいですし、何より必然的に業務ベースで考えている状態になれるので、AI使いたい病を避けることができます

予測精度よりも業務KPI

AIの予測精度は当然高いに越したことはないですし、永遠の課題です。そして何よりチャレンジングで面白いです。それゆえにその沼にはまりがちです。

「果たしてその予測精度はビジネスの課題を本当に達成しているのか?」

とても大切な問いだと感じました。これは弊社でも繰り返し意識するようにしているのですが、見失いがちになることが私はよくあります。

久保長さんはKPIと照らし合わせながら考えていました。見習っていきたいです。

AIの使い所を見極める

AI・機械学習はブームに乗ってつい使ってみたくなる気持ちが先に来ますが、一歩立ち止まって本当に使える場所を見つけることが大切だと知りました。

特にリーンスタートアップを読んでいらっしゃるからか、スタートアップ的な考え方が随所にあることがよかったです。小さく初めて、AIが使えるかを調べて、使えるようであれば拡大していくというステップを踏むことで、確実に事業に影響を与えられる物を残します。参考にしていきたいです。

AIビジネスを成功させるために

AIビジネスで苦労するポイントは

  • 顧客満足度を高めるためにはコンサルティング・サポート・技術の進化が必要であり、いいモデルだけでは役に立たない
  • 本当にAIが必要とされる所を見つける意識が必要で、AIを使ってみたいという気持ちを先行させない
  • 契約・運用保守の方法についてはまだまだ未成熟であり、そこを決める能力が求められる

という感じでした。

逆にこの辺りがチャンスなのかなと思っており、上記を解決できる人材が今後活躍していくということなので・・・

そうなれるように頑張ります!!

お読みいただきありがとうございました。

エンジニアばかりでしたが、非エンジニアの方でも楽しめる内容でしたので、機械学習に関わるお仕事の方はぜひ足を運んでみてください。

ABOUT ME
hirayuki
今年で社会人3年目になります。 日々体当たりで仕事を覚えています。 テーマはIT・教育です。 少しでも技術に親しんでもらえるよう、noteで4コマ漫画も書いています。 https://note.mu/hirayuki